【櫻日和】また助けられた

【櫻日和】また助けられた 櫻日和【エッセイ】

嫌なことがあった時。
未来が見えなくなった時。
不安でどうしようもない時。

この世の中に自分のことを理解してくれる人間なんて1人も居ないと感じて、布団にもぐったあの日。

「頑張って」「応援しているよ」

そんな言葉すら、軽薄な綺麗事のセリフに聞こえた。

求めてもいないアドバイス、社会を上手く渡る処世術。

違う、違う、違う!

私が欲しいのはそんな言葉じゃない。

私が欲しかったのは。

私が欲しかったのは。

「あなたは1人じゃない。わたしも同じだよ」

と背中をさすりながら、泣くのを許してくれる人だった。

他に何もしてくれなくたっていい。

それだけで良かったのに。

人間には言葉以前に、受け取って欲しいものがある。

それは自分だ。自分の感情だ。自分の存在だ。

それが無ければ綺麗な言葉は紡げない。

それが無ければ上手になんて生きていけるわけがない。

「あなたは1人じゃない。何もしてあげられないけど、そばにいるから」

そう差し伸べられた手をとれば、未来は開くのかもしれない。

そこに綺麗事も応援も要らない。言葉なんて要らない。

ただ、そばにいてくれればいい。何も言わなくても、そこにいることを許してくれれば、それでいい。

そんな人があなたにもきっといる。

あなたは1人じゃない。

また、櫻坂に救ってもらってしまいました。


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