MUSIC BLOODで潮目は変わった【摩擦係数分析】

MUSIC BLOODで潮目は変わった【摩擦係数分析】 その他

摩擦係数のMV再生回数分析を引き続き行っていますが、音楽番組出演ラッシュ(バズリズム→Mステ→Venue 101→MUSIC BLOOD)により、再生回数に良い流れが生まれています。

「五月雨よ」を上回るペースに

前回の記事で示したように「摩擦係数」は初動が非常に良かったものの、新規流入の少なさに起因すると思われるペース下落が続き、「五月雨よ」を下回るペースに転じていました。一時期は23週目ぐらいで「五月雨よ」に同時期累計で逆転されるペースにまで下がってしまい、先行き不安という状況でした。

ところが、音楽番組出演ラッシュが始まって以降、この状況に変化が生まれました。

これは各週の日平均(その週の再生回数÷7日)をグラフにしたものですが、Mステ及びVenue 101出演があった9週目に「五月雨よ」を逆転したことが分かります。

その勢いのまま10週目にMUSIC BLOODの出演を迎え、日平均もほぼ同じペースをキープすることに成功、11週目は音楽番組出演が無かったにもかかわらずペースキープを続けており、「五月雨よ」との差を広げています。

9週目から11週目までの増減率の平均を見ると、以下のようになります。

ノバフォ-24.4%
BAN-10.2%
流れ弾-13.1%
五月雨よ-10.7%
摩擦係数-4.4%

摩擦係数は過去4曲に比べて、減少率が少なく、ペースをキープできていることがうかがえます。

特に注目なのは、音楽番組出演が無かった11週目もペースをキープできたことです。

これはペースキープが音楽番組出演による一過性の現象ではなく、ベースラインが上昇したことを意味しているのではないかと考えられるためです。

では、どの音楽番組がより効果的だったと考えられるのでしょうか。

ツイート数から見る音楽番組の効果

今度は「#摩擦係数」でつぶやかれたツイート数を切り口に考えてみましょう。

以下はYahoo!リアルタイムで見ることができる9/1からのツイート数を3日移動平均で見たものです。なお、最大と最小の差が激しく少ない値の変化が分かりづらいので、縦軸が対数になっているのに注意してください。

グラフ内の黒いラインがバズリズム後のベースライン(最小値)、赤いラインがMステ及びVenue 101後のベースライン、緑色がMUSIC BLOOD後のベースラインです。

これを見ると、明らかにMUSIC BLOODの後はベースラインが上昇しています。

バズリズム、Mステ、Venue 101の後の数値だと再生回数も一過性の好成績に終わった可能性がありますが、MUSIC BLOODの後のツイート数の推移を見ると、MUSIC BLOODが摩擦係数への関心を中期的に高め、それが再生回数に反映されている可能性が高いと思われます。

なぜMUSIC BLOOD出演は成功したか?

最も分かりやすいのは、MUSIC BLOODは1組のアーティストを特集してくれるという点です。

ほかの番組は何組か、あるいは歌だけになることが多く、櫻坂にだけフォーカスが当たるわけではありませんが、MUSIC BLOODは櫻坂にだけフォーカスしてくれるという強さがありました。

また、番組視聴層に「田中圭さん、千葉雄大さん目当て」の方もいらっしゃることが想像され、従来とは違う層にアピールできた可能性もあります。

加えて、改名後、ここまで真正面から改名について触れた音楽番組がありませんでした。「改名した」という事実には触れても、それによるメンバーの揺れなどにはほとんど触れてこなかったわけです。

さらに、MCの2人に「改名して良かったと思ってもらえるようになるよ」というような趣旨のことを言われて、みいちゃんを筆頭に涙を浮かべるメンバーがいたのはとても印象的でした。

彼女たちは今も「櫻坂としてやっていることは正解なのか、改名して良かったのか」という迷いを持っているのでしょう。だからこそ、MCの2人にそれを肯定してもらえたことに、あのような反応をしたのだと思っています。

私自身は櫻坂に改名して良かったと思っているし、いま彼女たちが目指そうとしているものは基本的に正しいと思って応援してきました(今は少しスタンスを変えていますが大きくは変わってません)。今を肯定してあげなければ、彼女たちの迷いはいつまでたっても払しょくされないと思ってきました。

一方で、欅坂へのこだわりが捨てきれないファンが多いのも事実です。いろいろな見方があるのでしょうが、櫻坂としてやっていることが完全には肯定されていないとメンバーが感じても、それを誤解だとは言い切れないでしょう。(気にしないメンバーもいるとは思いますが)

そもそも本質的には、改名していなくても、同様の問題にぶち当たった可能性は高いです。平手時代と現在という比較は常にされたでしょうし、そこに葛藤を覚えるメンバーが生まれたであろうことは想像に難くありません。ライブで曲をやる、やらないという問題こそ起きなかったでしょうが。

そういう意味では逆に改名して、「再出発」という体裁をとることで、過去との比較を薄める効果はあったと思います。「もう欅坂じゃないんだから」ということで、より自由にあれたからです。

したがって、「改名を肯定的に語る起点とすること」、「今を見てあげること」という意味合いでノバフォと摩擦係数を披露したことは効果的だったと思います。

特集内容によりストーリーが生まれ、「摩擦係数」と「Nobody’s fault」披露に強い意味が生まれたからです。

これは私の持論ですが、アイドルは主人公でなければいけないと思っています。その主人公がどんなストーリーを歩むのか、そこに一喜一憂することでファンになる。

櫻坂というグループを主人公にしたストーリーを最近は失いかけていましたが、それを再度提示することができたことが摩擦係数への関心を高めることにつながったのではないかと私は解釈しています。

MUSIC BLOODはひとまず終了することが発表されていますが、1組にだけフォーカスを当ててくれる音楽番組は少ないので、終わってしまうのは残念です。

おわりに

この摩擦係数の再生回数の水準をキープできれば、直近では流れ弾との日平均に並ぶあるいは超える局面を迎える可能性もあります。

ツアーも始まりましたので、今後も要注目です。


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