上村莉菜・原田葵の選抜制を受けての戸惑い【B.L.T.1月号】

上村莉菜と原田葵の選抜制を受けての戸惑い インタビュー紹介

選抜制という急激で大きな変化を受けて、彼女たちは何を感じているのかーー

※B.L.T.1月号(2019)のP28~P35の「もっと とって アップル」より

寂しさと不安

選抜になって二人が感じたのはざっくり言って、「寂しさと不安」だった。

全員がそろわない寂しさ、みんなで1つの楽曲を感情を共有しながらつくっていく方法がとれない不安。

欅坂はデビュー以来4年にわたって全員選抜をとってきたわけで、AKBグループや乃木坂とは違う道のりを歩み、それに合ったパフォーマンスの高め方をしてきたはずだ。それが大きく変わったときに、メンバー同士で「これはどうしたらいいんだろう?」という不安を抱えるのは当然だろう。

よく出てくる「停滞感」というワードは、「安定感」の裏返しだ。つまり、もう欅坂には「こういうグループ」という色が付いているということだ。それは決して悪いことではない。一方で、それはクリエイティブという側面から見れば縛りや足かせにもなる。また、ファン目線では、「黒い羊」以降新曲が出ていないので、ワクワク感がないというのもあっただろう。これが「停滞感」という言葉として出てきていたのだと思う。

それを崩す起爆剤として運営が持ってきたのが選抜制導入だったわけだが、これが果たして最終的にどういう結果をもたらすのか。いたずらに不安をあおるだけなら意味がない。こういうメンバーの想いがどう変わっていくのかに注目しながら、今後のインタビューを読んでいきたいし、皆さんにもそこを注目してほしいと思う。

選抜外メンバーへの視線

選抜発表がツアー前の7月だったため、選抜から外れたメンバーはファンがそれとは知らぬままツアーでファンの前に姿を見せなければいけなかった。そんなメンバーに対する2人の視線はあまり聞かれない内容だと思うので、貴重だ。

特にうえむーの言葉からは葛藤があったことが伝わってくる。

仲間の中に発生する格差。これはグループ活動にいつも付きまとう難題だ。別冊カドカワのてちと北川景子さんの対談でも、同じような話が出てきている。選抜と選抜外という、今までにない格差が発生したとき、大きな心の揺れが生まれたことは想像に難くない。

とはいえ、このあたりは今まで3列目が多かったメンバーとフロントをはることが多かったメンバーでは考え方が少し違うかもしれない。理佐やゆいぽんのインタビューでは、このような揺れをあまり受けない。比較的後ろを担当することが多かったうえむーや葵ちゃんならではの想いかなと思う。

彼女の涙

特に印象的だったのはあるメンバーが涙を流したエピソードだ。それを受けてみんなが泣いてしまったところからも、グループ内の雰囲気が以前とは違うものになっていたことがうかがえる。

ある意味で、この涙がグループ活動をもとに戻す契機になった。

そして、その涙が自分のためだけの涙ではなかったからこそ、グループに響いたのだと思う。

せめて今は

うえむーの発言で「せめて今いるメンバーとの時間は」(P34)というくだりがあるが、ここから彼女の抱えている葛藤や後悔、進まなければという思いを感じて、個人的にグッときた。

今の欅坂は今しかない。卒業メンバーも含め、過去の欅坂の積み重ねが今の欅坂をつくっている。その積み重ねをさらに厚くしながら、欅坂は変化していく。

私たちファンも、過去を背負いながら「だから今を大事に」という思いで応援をしていけたらなと思う。

このインタビューは決して長いインタビューではないが、選抜制導入を受けての葛藤などを知ることができる質の高いインタビューだ。読んでいない方にはぜひ読んで欲しい。ちなみに、写真は非常にかわいい。個人的にはP33の左上の写真がお気に入り。P31の写真は2人の声が聞こえてきそうな写真で、純粋に良い写真だなと感じた。

ちなみに、2期生インタビューやみいちゃんの1万字ロングインタビューもあるので、買って損はないと思う。

B.L.T.2020年1月号

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