「櫻エイトシステム」をどう考える?

「櫻エイトシステム」をどう考える? ブログ

先日放送された、「欅って、書けない?」改め「そこ曲がったら、櫻坂?」で櫻坂としての1stシングルである「Nobody’s fault」のメンバー発表が行われました。

そこで明らかになったのが「櫻エイト」なるシステム。

Twitterなどでは賛否両論という感じでしたが、どう考えるべきでしょうか。

櫻エイトとは?

櫻坂で新たに導入される仕組みの要旨は以下です(以降、櫻坂システムと呼びます)。

  • 8名を「櫻エイト」とし、すべての楽曲で1~2列目を担当させる
  • すべての楽曲を14名編成とし、櫻エイト以外は入れ替える
  • ユニット曲およびソロ曲は制作しない
  • 1stシングルでは「森田・小林・理佐・菅井・藤吉・小池・山﨑・田村」の8名が櫻エイト

ポイントは選抜ーアンダーという上下ではなく、「櫻エイト」-「それ以外」という構造にしたことです。

乃木坂システムでは、表題曲チームとアンダーチームはかなり分かれて活動することになるので、実質2チーム制になります。また、アンダーという名前である通り、表題曲を披露しないメンバーは2軍的な立ち位置に位置付けられます。

一方、櫻坂システムではすべての楽曲に櫻エイトがおり、チームとしての一体感は維持されます。ただし、櫻エイトの負担が大きいこと、櫻エイトにならなかったメンバーとの格差が大きくなりやすい、経験を積みづらいというデメリットも考えられます。

なぜ櫻坂システムなのか?

欅坂は一貫して「全員選抜」制をとってきて、すべての表題曲・カップリング(ユニット除く)でメンバー全員で楽曲をパフォーマンスしてきました。

結果的に幻となった9thシングルではこの制度をやめ、乃木坂で行われきた選抜制度を導入しました。

しかし、これが原因だったのかは定かではありませんが、非選抜となったメンバーが次々に卒業することになりました。

また、ファンの中でも「欅坂は全員選抜だからこそ!」という思いを持っている人も多いです。ドキュメンタリー映画の中で虹花ちゃんが「欅は全員で戦ってきたんですよ」と言っていましたが、欅坂独特の一体感はこの全員選抜の効果だったんだと思いますし、表題曲で歌うことがある程度保証されているからこそ、楽曲の表現に全力を傾けられるというメリットがありました。

この効能を運営も分かっているのか、日向坂は現在も全員選抜システムを続けています。

しかし、櫻坂は26人。全員選抜を行うには人が多すぎるのが実情です。全員選抜にしてしまうと、パフォーマンス中の見せ場を作りづらく、一人ひとりにスポットが当たる時間も短くなりがちです。また、見栄えを整えるのが難しい部分もあります。

これらのことから人数を絞らなければいけないというのは理解できることです。

しかし単に人数を絞るなら乃木坂システムでもよさそうです。なぜそうしなかったのか。

乃木坂システムで選抜を行った場合のデメリットは「グループとしての一体感が薄れる」ということです。私は乃木坂はそこまで追っていないのであまりちゃんとしたことは言えませんが、私の印象では乃木坂というグループはアイドルの一つのシンボルで、そこに「個の力があるメンバー」が集まっているというイメージです。このため、選抜を行って競争させ、ファンにも競争を煽ることで「個を伸ばす」ことを目指しているのかなと思います。一方で、競争させれば敗者も生まれてしまいます。なかなか選抜に選ばれないメンバーをどうフォローしていくかという問題も生まれます(上手くいかないと卒業してしまう)。

逆に、欅坂は必ずしも強くない個が集まることですごいパワーを出してきたグループだと思っています。楽曲もメッセージ性の高いものが多く、全員でまとまって1つの楽曲に向き合うがゆえに生まれる強さがあったのかなという気はします。「その曲を伝えるために、自分はどうしたらいいか」ということを考えるのが欅坂の1つのらしさであり、そこに惹かれているファンも多いです。なので、個としての競争をさせた場合にそれが維持できなくなる可能性があります。また、9thのあとの状況を見ると、競争による敗者にまわってしまったときに運営がケアしきれない可能性もあります。

この2つ(人数を絞る必要性・乃木坂システムは採りづらい)をふまえて考えたのが「櫻坂システム」だと思われます。

まず、楽曲によるメンバー変更を最低限に抑えるために14分の8を固定化。これで完全ではないものの、グループとしての楽曲では変化が少なくなり全員選抜時代のような練度が高いパフォーマンスが期待できます

また、アンダーシステムを採っていないので、全員が数曲(単純に考えれば最低2曲)で櫻エイトと共に活動をします。このため、実際は露出度に差が出てしまうとは思いますが、体裁上はすべて同格の楽曲であると考えることができます。これにより「自分は選抜外だ」と思わせない効果もあります。公式サイトのメッセージを見ても、そういう意図を感じます。

ちなみに、私も人数を絞りながら、いかに選抜制度を是正するかは考えていて、両A面システムにしたらどうかと思っていました。表題曲格を2曲作り、一部メンバーは重複させながら、残りのメンバーをどちらかに参加させることで全員が表題曲に参加できるかたちにするというものです。

両A面システムと櫻坂システムの比較

手段は違いますが、運営が考えたことと、私が考えたことにはおそらく近しいものがあります。いっぺんにではなくても、全員を表題曲格に参加させることで欅坂の全員選抜的なものを受け継げるのではないかということです。

このようなことから、私自身は櫻坂システムをそれなりに評価できるものであると考えています。

今後の課題

しかし、課題もあるとは思います。

  • 入れ替え枠が少ない。もう少しあってもいいのでは?
  • 櫻エイトで前2列を固定するのは面白みがない
  • 櫻エイトの入れ替えがスムーズに可能か
  • ユニット・ソロ曲がないとグループとしての幅が狭まる

などです。

入れ替え枠はもう少しあってもいいのではないかと思います。今回は14人編成ですが、18人ぐらいまでなら許容範囲で増やせるだろうという気がします。18人なら70枠を19人で割り振るので一人3枠は保証できます。

また、前2列を櫻エイトで固定してしまうのも、ちょっとやり過ぎではないかと思います。乃木坂システムのメリットとしてアンダーセンターがあります。アンダー曲とはいえセンターやフロントをやるというのは、やはり経験として大きなものがあります。ファン的にも前で見れるのはやはり嬉しいものです。欅坂ではフロントの流動性を高めることで同じような効果を持たせていましたが、そういうことも考えると、列まで固定しなくてもいいのではと思います。

これは2nd以降の問題ですが、櫻エイトの入れ替えがスムーズにいくかという問題があります。実質「理佐・森田・小林・田村」の4人は人気度や経験で抜けています。ゆっかー(菅井)もスポークスマン的な役割であり、人気も高いため外しづらいです。なので、実質5枠は固定せざるを得ないのではないかと感じます。しかしこれでは固定化が進んでしまい、マンネリ化する可能性があります。ここをどう考えているのか。ちなみに、今までも2列目まで固定(3列目未経験)なのは「小林・菅井・理佐」のみで、今回の人選も今までの延長線上にあると考えられます。

ユニット・ソロ曲を作らなかったのはかなり意外でした。ただ、櫻坂としての曲がまだありませんので、早急に作りたいというのは理解できます。しばらくは欅坂の曲はライブで行わないでしょうから、早いところライブのセトリが組めるぐらいにはしたいと思っているのでしょう。なので、今回ほど極端なことは続かないとふんでいます。

おわりに

欅坂時代とも違い、乃木坂とも違う、新しいスタイルを打ち出してきた櫻坂。

色々と複雑に思うところもありますし、みんなには今までのように「その曲をどうやったら一番伝えられるか」にフォーカスしてほしいという思いが正直あるのですが、それがどうなるか。

ただ、アンダーというあんまり使いたくないワードを使わなくて良くなったのが、幸いだったでしょうか。同じグループなのに2軍みたいに扱うのは嫌だなあと思いますし、それぞれの魅力が出るようにプロデュースしていくのが運営の仕事だとも思うので。

とりあえず、カップリングが聞けるのが楽しみなので、今後もしっかりウォッチングしていこうと思います!


Twitterもやっているので、ぜひフォローしてください!