「黒い羊」というと、結構シリアスで暗い曲というイメージを持たれがちだと思うのですが、カラオケや家とかで歌っていると、不思議な感情に襲われます。
確かに暗いし、決して笑顔になる曲ではありません。
でも、心が温かくなるような瞬間があるんです。
特にカラオケではMVで歌ってみてください！
感情をのせやすいです。
1番はあったまっていなかったりすると思いますが、2番のBメロ（1番とメロディーが違う変則Bメロですが）あたりから、グワーッと自分が曲に飲み込まれるような感覚に襲われます。
「人生の大半は～噛みついちゃいけませんか」のところです。
実際、たくさんあるじゃないですか。
「なんで？ そんなのおかしいじゃないか！」ってことが。私も「割り切って考えろ」とか大人から言われたことがありますが、そういうのがフラッシュバックしてくるんですよ。
それに加えて、この部分、特に「それならやっぱ～」以降は強く発音するところがあって、感情がのせやすいのもあります。こういうアクセントがついてるのは、地味にポイントになっているはずです。
そして、大サビはMVの映像とクライマックス感が相まって、なんかこうすごい高ぶる感じがするんですよね。
中でも特に、「自らの真実を捨て～指を差して笑うのか？」の部分はてちの魂から踊っている感じがビシバシ伝わってきます。「指をさして笑うのか」ではてちが実際に集団に向かって呼びを指しますが、気分では私も指を指しています（笑）
そして、最後の部分では、「ああ、もうそんなに苦しまないでほしい。大丈夫だから。伝わったから」と言ってあげたくなる感じがあります。てちに対して感じる部分もあるんだろうし、どこか自分に言い聞かせているところもあるのかなって思います。
歌い終わると、色んなものが浄化されたような、不思議な余韻に包まれます。
Mステで披露したときにてちがまるで天に召されるような演出がありましたが、本当にあんな感じです。
悲しみ、怒り、愛情……そういういくつもの感情たちを、1つの曲を歌うという追体験を通して、すんごい感じられるんです。
こんな曲はほかにないと言っていいぐらいです。
友人同士でわいわいというときにはなかなか歌いにくい曲ですが、一人だったり、理解がある人と行った時には、ぜひ歌ってみてほしいです。
「黒い羊」は歌うことでも、その良さを体験できる、欅坂の傑作の1つだと思います。
