3rdシングル全曲感想

3rdシングル全曲感想 ブログ

3rdシングルのカップリングも含めた全曲が解禁されたので、その感想と全体から考えたことを今回は書いていきたいと思います。

流れ弾

表題である流れ弾はMVにおいて、欅坂的表現が強く見られます。これは監督がサイマジョ、エキセントリックなどを担当した池田監督というのもあると思います。

例えば、1人を全員で攻撃する、あるいはその逆。これは欅坂で繰り返し描かれてきたモチーフです。また、全体的に暗めで感情の機微というよりはダンスの激しさを通じた狂気性を強調したものになっている印象です。私は感情の機微や奥行き(弱さ?)などがどちらかというと好きなので、こういう演出はあまり好みではないのですが、欅坂のそういう側面に惹かれていた人からは評価が高いのではないかと想像しています。

歌詞的には、前もブログで書いたように私はもう少し深みが欲しかったと思うのですが、もっと広い視点で見れば、「愛」や「信頼」に重きを置くということで、「世界には愛しかない」を櫻坂風にリメイクしたような印象を受けます。

欅坂のときは個人的な感情だったものを、より一般化して、広い視野から描いたもののように思うのです。その題材としてSNSでの炎上を選んだんじゃないでしょうか。「僕は信じてる 世界には愛しかないんだ」を大人が歌うと「愛が無けりゃ世界は終わる」になるのではと(笑)

大人になって「愛しかないと信じてる」なんて歌えないじゃないですか。嘘っぽくて。「世界は終わる」も仰々しいですが、大人ってこういう表現しがちよねっていう。

やはり、櫻坂は欅坂よりも先、大人の視点から欅坂の世界観を表現しようとしているように思います。

Dead end

これは基本的に、1st~2ndの表題路線を引き継いだような楽曲だと思っています。

「行き止まり」というタイトルで、グループの路線とかそういうものに対する比喩もあるような気がしますし、いろいろと制限がかかっている現在の社会情勢を映しているような気もします。

いずれにせよ、ポイントとしては行き止まりで絶望するのではなく、「じゃあどうする?」と次の行動を考えさせようとしているところだろうと思います。

これも欅坂からの進化ということで、より大人な視点の印象です。

無言の宇宙

個人的には3rdのMVでは、これが一番好きです。こういう感情の機微みたいなものがあるMVが私は基本的に好きなんでしょうね(笑)

櫻坂の持っている「優しさ」にフォーカスを当てたような楽曲だと感じました。言葉は必ずしも多くないかもしれないけど、思い合っているというのは欅坂から続く櫻坂のグループカラーの1つだと思います。

また、言葉の持っている副作用というか、そういうものを描いていて、別の視点から考えれば、SNS等が発達した現代社会に対するアンチテーゼでもあります。

「言葉の多さが邪魔をする」と言わせて、「今の社会は言葉でものを語り過ぎる。もっと心を大事にしたらいいじゃない」と投げかけてくる曲です。加えて、「愛」というキーワードが流れ弾に続いて、こちらでも出てくるのが面白いところです。

「愛なんて言葉で語るものじゃない。相手を信じることが大事なんだ」という感じで、流れ弾を補完するような曲になっている感じもします。

ちなみに、乃木坂の「君に叱られた」でも「愛情」がテーマになっていますし、日向坂の「ってか」でも同様のモチーフが描かれています。今回は3坂道でほぼ同じようなタイミングで新曲を出しますが、そのすべてで同じテーマを扱っているので、秋元氏が「愛情の描き方」をグループカラーに合うように振り分けたのかなという感じがします。

ソニア

各チーム3列目のメンバー(いわゆるBACKS)の楽曲です。

リップスティックを巡る物語で「自分に合った色を見つける」ことを描いた曲です。

今野さんを始めとするソニー側がどう考えているのかは知りませんが、秋元氏的には「自分らしさを大切に」というメッセージを櫻坂に示したいのかなと思いました。特に3列目のメンバーには。

欅坂時代から一貫してこのグループは「自分らしく生きること」を1つのテーマにしているので、それを櫻坂っぽく、大人の優しい描き方をした作品のように感じます。

この曲はBメロのリズムがいいですよね。「パン パパン」っていうリズムで、アニソンとかでよく使われるやつですね。非常に中毒性があるリズムです。

ジャマイカビール

ゆいぽん、夏鈴ちゃん、ひかりんのユニット曲です。

レゲエでもやるつもりなのかと思ったら、シティポップ系の曲でしたね(笑)今、シティポップは世界的になぜか再評価されていますからね。

曲自体は大人の失恋ソングという感じです。似たようなテーマでは欅坂時代に「302号室」がありましたが、女性視点なのが新しいところです。

「思い出は全部粗大ゴミ」「愛なんてどうせ不燃ゴミ」という歌詞とメロディーがずばぬけて好きです。こういう歌詞は秋元節ですね。

あと私は夏鈴ちゃんの歌声がとても好きなので、ソロが多く聞けるのも嬉しい限りです。ちょっと生々しい、リアルさを感じる声で、すごく魅力的に思います。

ひかりんも元々大人っぽいタイプなので、こういう曲は合いますね~。

賞味期限切れのジャマイカビールを飲むことで、前を向こうとしているのがいいですね。

On my way

いのりちゃん、まつりちゃんによるユニット曲です。

「りなちゃんず」と言われていますが、うえむーもいるので「りなちゃんず」にはならんだろうと思います(笑)

2人とも歌が上手いグループに入るので、こういうユニット曲ができたのは良かったですね。

この曲は「自分らしく生きる路線」ど真ん中の楽曲です。一方で、櫻坂らしく、非常にポップで明るく、楽観的な感じのする楽曲だな~と思いました。欅坂だったらもっと悲壮感がありそうですが、「今が良けりゃそれでいいんじゃない?」とラフに歌っているのが櫻坂っぽいです。まつりちゃん、いのりちゃんという明るい2人が歌っているのもあると思いますが。

「まあ、大丈夫だよ!」みたいな聞いていて元気になる曲です。

美しきNervous

これは表題チームで歌っている曲です。

曲のキャッチーさはピカイチですね(笑)

個人的にはBメロからサビに行くときの「Yes!!」がめっちゃ好きですw

「よしサビ行くぞ!」みたいな感じが出て、つい声に出しちゃいますよねえ。

この曲は歌謡曲感満載のアイドル曲って感じですかねえ。そこまでコンセプトみたいなものがある感じはしません。でも、保乃ちゃんには合ってるかな~と思います。結構ライブパフォーマンスが楽しみです(笑)そこさくで早く見たい!

3rdのキーワード

3rdは「大人っぽさ」「優しさ(肯定)」「強さ」「希望」あたりがキーワードになっている感じがします。

2ndまではもう少し下の大学生ぐらいの感じがありましたが、さらに上の20代ぐらいの曲が増えた印象です。櫻坂とクールな大人っぽさというのはマッチしていると思うので、こういうのが増えるのはいいんじゃないかなと思います!

しかし、いずれにせよ主要3曲は「希望」を描こうとしているのは一貫しています。やっぱり櫻坂の最重要キーワードは「希望」なんだろうと思います。

櫻坂では大人っぽい包むような優しさを持ち、そして強く希望を歌い、自分らしい行動を促すという一段階進んだような世界観を持たせたいのかなと思いました。

一方でそれらのどこを強調するかはかなりバラバラです。

主要3曲では、流れ弾が大人っぽさ(大人的価値観・MVは狂気性)、Dead endは強さ、無言の宇宙は優しさを強調しており、好みが分かれるだろうと思います。

それぞれ欅坂のときからある要素ではあるので、どこを好きだったかによって好みが分かれているんじゃないかと考えています。(大人っぽさは少なかったですが)

これらのどのグループも離さないようにするには、3センター制でそれぞれ別の役割を担わせた方が合理的なのかもしれません。その代わり、「櫻坂といったらこれ!」という分かりやすいものを提示することはより困難になっています。

でも、「希望を歌う」というものを貫けば、そのうち「これだ!」というのが見つかる気もします。

経緯的に、私のような非アイドルファンを一定数抱えている櫻坂は楽曲、世界観、パフォーマンスに非アイドル文脈で一家言あるような人が多いので(私も厄介なやつですねw)、置きに行けないという意味で難しさもあると思いますが、制作陣には頑張ってほしいです。

今後はライブパフォーマンスが楽しみですね~。


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