なぜ人間は齋藤京子をフルネームで呼びたくなるのか?

なぜ人間は齋藤京子をフルネームで呼びたくなるのか? コラム

日向坂の齋藤京子、通称きょんこは、なぜだか「齋藤京子」とフルネームで呼びたくなりませんか?

少なくとも「齋藤」とか「京子」と呼ぶファンは多くないと思います。ひなあいでもオードリーは「齋藤京子」とフルネーム呼びしていることが多いです。

この謎に今回は迫りたいと思います。

五七五調との関係

日本人は「五七五」を聞くと気持ちいいリズムだと思うことが多いです。

より厳密にいえば、「7音」か「5音」だと気持ちよく感じます

これを「齋藤京子」に当てはめてみます。

「齋藤京子」→「さ・い・と・う(お)・きょ・う(お)・こ」で7音です。

したがって、7音であるというのが齋藤京子をフルネームで呼びたくなる1つの理由と言えます。

しかし、これだけでは不十分です。

というのも、欅坂の「齋藤冬優花」も「さいとうふゆか」と7音ですが、ふーちゃんのことをフルネームで呼びたくなるということはあまりないからです。何が違うのか?

特殊拍の多さ

ここで出てくるのが「特殊拍」というものです。これは前後の言葉によって微妙に発音の変わる言葉のことで、「小さい『つ』」(促音)、「ん」(撥音)、「-」(長音)、二重母音の第二音を指します。

この特殊拍があると、その部分の音が弱くなることで、リズムができ「発音が気持ちいい」と感じるようになります。

ちなみに、二重母音というのは、母音が連続するときにそれらを明確に区切らず、つなげて発音するような母音を言います。英語の「I(私は)」は「ア・イ」ではなく「アー(イは小さくなる)」のように聞こえます。

なお、日本語には二重母音はないとされているんですが、普通に話していると明確な連母音(区切って発音)でないことも多く、発音上は二重母音に近い場合もあると個人的には思います。研究でも、英語とは仕組みが違うが二重母音と言える発音もあるという見解が指摘されています。(大髙2016)

さて、「さいとう」の「さい」は「sai」で、「ai」と母音が連続しています。かつ、この場合の「さい」は「あの動物園、サイがいるんだって」の「サイ」ほどはっきり発音しません(少なくとも私は)。なので、二重母音に近い発音だと言えると思います。

「さいとう」の「とう」は「tou」で「ou」が連続した母音になります。このパターンでは二重母音ではなく、長音化します。したがって、「とお」と発音します。

「きょうこ」の「きょう」も「kyou」と「ou」があるので、これも長音に。

したがって、「齋藤京子」という名前のうち、特殊拍の部分に色をつけると以下のようになります。

さいとう きょう

なんと3つも特殊拍があります。ほぼ全部じゃん。

7音であること、特殊拍が多いことが「齋藤京子」をフルネームで呼びたくさせている大きな理由だと言えるのではないでしょうか。

さらに、私はもう1つ理由があると考えています。

韻を踏んでいる

韻というのはラップなので見られるあれです。「今日も迷走、情報錯綜」(ラップ風に読んでみてね)などなら最後の「そう」が韻を踏んでいます。こういうのは最後で韻を踏むので脚韻と言います。

ほかには、文の頭で韻を踏む「頭韻」、位置関係なく母音が韻を踏む「母韻」、子音で韻を踏む「子韻」があります。

「齋藤京子」にこれはあるでしょうか。まず、分かりやすくするためにローマ字にしてみます。

saito kyoko

苗字と名前の頭は「さ」と「きょ」で明らかに違いますね。一方、後ろは「to」と「ko」で似ていますので、脚韻があると言えそうです。

さらに、母韻もあります!

上のローマ字から母音だけ取り出すと、

aio oo

になります。

後ろ3つが「o」の3連チャンになっていますよね。これが母韻になっているのです。脚韻に加えて、母韻もあるため、リズミカルで発音したくなるのです。(ただ、日本では母韻はあまり意識されていないようです)

結論

「齋藤京子」をフルネームで呼びたくなるのは……

  • 7音である
  • 特殊拍が多い
  • 韻を踏んでいる

からである!

というのが、私がネットでかき集めた情報から得た結論です。

専門家じゃないので間違っているかもしれませんが、そこまで外れてもいないんじゃないかなと思います。

前から謎だったので、自分なりに結論を出せたのですっきりしました(笑)

ちなみに、「きょうこ」を「きょんこ」と呼ぶのも、「ん」という特殊拍を入れることでリズミカルにしたいからだと思います。ほかのメンバーのあだ名でも特殊拍や韻が多く見られるな~と思います。これはまた別にまとめますね。

あ~、面白かった。

齋藤京子はフルネームで呼びたくなる、最強クラスの名前だった

<参考サイト・論文>


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