運営よ!チャレンジを!

運営よ!チャレンジを! コラム

昨日の欅坂46スペシャルインタビュー特番、ソワソワしながら見ました(笑)

インタビュー自体はすごい良かったですし、映像も凝って作ってもらっていて、ありがたかったです。

特にるんちゃんのなぜ欅に入ったのかという話、保乃ちゃんと夏鈴ちゃんの話、武元ちゃんの「私たち(アイドル)が元気をなくしたらもう終わり」という部分など2期生の強さを感じられたのが印象的でした。

で、「スペシャルなお知らせがあるかも!?」と運営があおっていたのは、欅共和国2019の円盤化でした。

これ自体は予想されていたことで…、いやまあ嬉しいですけどね。とはいえ、逆に円盤化されなかったら事件ですからね。うん。

総じて、欅坂の運営はコンテンツの出し方やブランディングがあまりうまくない印象を受けます。部分的には素晴らしいと思うところもたくさんありますが(今回みたいにわざわざ特番を企画したり)、ちょっとニーズとずれている気がしないでもありません。

私たちは新曲ではなく、実は運営のチャレンジを求めているんではないでしょうか?メンバーの頑張りにこたえる、チャレンジを。

アイドルが売っている「もの」

ところで、そもそもアイドル産業、特に秋元系グループは何を売っているのでしょうか。

ものとしてはCDなどになりますが、それを通じて私たちが買っているものは何か。

これはおそらく「ストーリー」です。

私たちは何かに価値を感じるとき、ストーリーや文脈(コンテキスト)でそれを読み取ります。

欅坂の場合は、今までのアイドルとは違うクールな路線であるというのが、そもそも大きなストーリーになっています。乃木坂やAKBグループといった王道アイドルへのカウンターです(日向坂はさらに欅坂へのカウンターという物語になっています)。

欅坂に最初に引っかかるのは「え、なにこのアイドル!?」というギャップです。逆に言えば、アーティスト集団という枠組みで欅坂が出てきて、まったく同じことをしてもおそらくこうはならなかったでしょう。「アイドルなのに」というギャップを使ってストーリーを作り出しているところにキモがあるのです。例えば、ロックバンドがサイマジョを歌っても、ああいうインパクトにはならないですよね。

そして、そういう「ギャップ」から入った人が今度は、楽曲やメンバーの持つストーリーに価値を感じるようになります。ねると米さんの話とかはその最たるものです。

こういうストーリーを各所から受け取ることで、そこに共感をしたり、面白さを発見した人たちがより欅坂に入り込んでいくわけです。

また、アイドルに欠かせないのはライブですが、これもメンバーの成長などを見る1つのシンボルなので重要なのです。しかし、欅坂の場合はそれに加えて演出や世界観というアーティスト的な要素が加わっているのが斬新でした。今度は何を見せてくれるんだろうというわくわく。これは欅坂の大きな強みです。

こういう重層的なストーリーを私たちは「買っている」のです。

本来、握手会、ブログ、トークアプリなどのファンサービスはそれを維持したり、強化する補助的なものです。

問題はこのストーリーがうまく提供できていないことにあります。

製品にはサイクルがある

一般的に、製品にはサイクルがあります。

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

です。

「導入期」はプロモーションなどを行います。一番手間とコストがかかる部分です。

その後「成長期」になると、製品が市場で売れ出して、利益が増えます。

「もう買ったよ」という人が増えてくると「成熟期」に入ります。

そして、「衰退期」になると新しく買う人はどんどん少なくなっていきます。

先ほども書きましたが、アイドルが売っているのは「ストーリー」です。

しかし、このストーリーも動きがなければ、どんどん陳腐化してしまいます。小説で同じところずっと読んでるみたいな。

今の欅坂が苦しいのは、ストーリーのフレッシュ化ができていないことです。新曲などが出せていないため、前までの物語がもう成熟期から衰退期に入ってきているのをリセットできていません。

昨日のインタビューはとても良かったですが、新しいストーリーではないので、サイクルの巻き戻しにはなっていませんでした。

欅共和国の円盤化も、流れとしては過去の振り返りです。ものは売れるでしょうが、現在のニーズとはややずれています。

今、欅坂のファンが飢えているのは新曲とかというよりは、新しいストーリーでしょう。新曲は新しいストーリーの象徴的な存在というだけで、必ずしも新曲である必要はありません。

ストーリーを進めるには

映画の公開日も発表するんじゃないかな~と思っていたら、しませんでした。日向坂のドキュメンタリー映画の公開日が決まったので、近々発表するんじゃないかとは思うんですけど、どっちみち映画も新しいストーリーというわけではないです。

ストーリーを進めるには、新シングル(9th)を出すのが一番手っ取り早いですが、今は社会情勢的にそういうわけにはいきません。握手会もできないし。みんなそんなことはうっすら分かっています。

であれば、CMソングになっていて、まだ販売していない曲を配信などで解禁するなどが考えられます。

「誰鐘」はドキュメンタリー映画の主題歌のようなので難しいでしょうが、「10プー」とかがありますので、それを配信するというのが1つの手です。元は9thのカップリングに考えていたかもしれませんが、出せるなら出したほうが進んでいるという印象を与えることはできます。これなら、メンバーに実際に動いてもらうこともないので、現在でもできるだろうと思います。経営的にも損をするリスクは大きくないはずです。

ほかには、9th表題のメンバーをどうするのかだけ言うとか。9thの表題曲に入らなかったメンバーがだいぶ卒業してしまったこと、センターがいなくなってしまったこと、新2期生の加入などで「どうすんだろ?」とファンは思っています。そういうことの方向性だけ示すとかもなくはない手です。曲を出さなくても、インタビューなどである程度ファンのニーズを満たしながら実際の発売までつなぐことも考えられます。

今はチャレンジを!

今、特に求められているのは、ストーリーを進めること、時計の針を進めることです。昨日のドキュメンタリーを見ても、メンバーの「動きたい!」という思いはよく分かりました。でも、いま問われているのはメンバーではなく、運営方針です。

もちろん、グループとして普通に動き出せるのが一番理想ですが、なかなかすぐには難しい。

それならば、できることで何とか進めていこうという運営の「行動」・チャレンジがほしいのです。円盤化やドキュメンタリーは今までのものを深堀りしていくものなので、前に進めるとは少し違います。

メンバーの頑張りに、マネジメント側が甘えてしまっているのではないかという気が少しします。

確かにファンは応援するし、それでも残る人は多いでしょう。

でも、フラストレーションはたまります。アイドルは今や星の数ほどいますので、離脱してしまう人だって出てくるでしょう。

欅坂は本当に素晴らしいグループだし、私は大好きです。

だからこそ、何か運営としての「進むための行動」がほしい。メンバーの進みたいという思いは痛いほど伝わってきています。トークの動画とか、いろいろ考えてくれてるんだなというのも分かります。

でも、運営はそれを行動で示すしかない。

特に今は社会的にいろんなことが難しくて、みんながいろいろ工夫を模索しています。社会的にチャレンジが求められています。

多少失敗するようなことでもいいんです。小さいことでもいい。何かチャレンジしてほしいです。

私のような素人には分からない色々なことがあるんだと思いますが、メンバーの頑張りがどうか報われますように。


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