Dead end MV公開!櫻坂らしさとは絶望からの希望である

Dead end MV公開!櫻坂らしさとは絶望からの希望である 櫻坂46楽曲紹介

昨日、るんちゃんセンターの「Dead end」のMVが公開されました!

良かったですね~。

るんちゃんらしさがあって、櫻坂が2ndまで志向してきたものを継承したものになっていたと思います!

るんちゃんの魅力は〝ひねくれもの〟

るんちゃんのパフォーマンスを見ると「かっこいい」という感想を言う人が多いです。私もそう思いますが、私の場合なんでそう思うのかを考えると、彼女が心の奥底ではひねくれものだからではないかと感じます。

見ていると、どこか「大衆への呆れ」みたいなものを感じるんですよね。

「大衆は愚か者ばかりだ。なぜわたしがそんな奴らに媚びなきゃいけない?」まで考えているかは分かりませんが 笑、そんなようなことをパフォーマンスなどを見ていると感じます。

だから、人を見下すような表情とかがすんごいハマるんですよね。目からすごくそういうのをすごく感じるんですよね。

ノバフォの「この世界を変えようなんて自惚れてんじゃねえよ」のところの表情とかは、もうピカイチです。

今回のMVでは信号に乗っかって、グラサンかけて、飴舐めながら、交差点を群れのように動く大衆を見下ろしてますが、このシーンはるんちゃんの持っているひねくれものの雰囲気にバチコーンとハマってました。

でも、ひねくれものは社会では上手くやっていけないんですよ。

だから、たいていの人はそういうのを隠して、何とか上手くやろうとせざるを得ない。るんちゃんもそういう面が素ではきっとあるでしょう。

そこを表現としてバンッと出してくれるところにカタルシスがあって、かっこいいと思うんじゃないかと私は思います。

ちなみに夏鈴ちゃんは大衆への呆れみたいなのはあまり感じなくて、自分の世界へ入りたいという欲求を強く感じますし、天ちゃんはもっとスケールが大きくて、「こうやったら面白いかも」みたいなことをいつも考えているエンターテイナーな感じがします。保乃ちゃんは表現者としては素直で、感情の出入力が大きく、ふり幅を出せるのが魅力だと思います。似たように見えて、私には全然違うところにエネルギーの源泉があるように思います。

行き止まりの先と櫻坂らしさ

MVでは大衆社会、あるいは社会秩序に対して、「こんなものに従ってたまるか」と交差点で人の流れを無視して踊ってみたり、きれいに並ぶ椅子をぐちゃぐちゃにしてみたり、座っていた椅子を蹴っ飛ばしたりしています。このMVで椅子は秩序や既存社会の象徴なのでしょう。

でも、そんなことをしたって社会は変わらないし、自分を取り巻く状況は悪化していくばかりです。

なお、ほかのメンバーは「苦しみながらも、社会に適応している人々」であると思います。それがるんちゃんの行く手にふさがったり、攻撃したり、邪魔をするわけです。2番に入ってからは自分の意思を出そうとするけれど、出せないという状況にあることが暗示されますが(立とうとしても椅子から立ち上がれない)、最終的にるんちゃんに解放されて一緒に行動するようになる……という流れだと解釈しました。

そして、最後にはみんなでそこから外の世界へ逃げ出していきます。

「走る情景」がある歌詞なので、走ってほしいと思っていた私は、草原を走ってくれて嬉しかったです(笑)

でも、草原には道はないし、周りに何があるかなんて分からないわけです。何もないかもしれない。

歌詞の世界観で言えば「行き止まり」であり、「世界の果て」なわけです。

そこでどうするか。立ち尽くすのか。

いや、森田ひかるはそういう道を選びません。

一人で別のところへ歩き出します。

私はこれを単に「もと来た道を引き返した」とは思いません

今までとは違う道を自分で探しに行くのだと思いました。一人で、強い信念を持って。何もないというのは裏返せば、何でもできる場所でもあるからです。

このように、絶望的状況から「信念を持って、新しい道を探す」という強さを描き、希望を持たせるところに櫻坂らしさがあると思います。これは歌詞の持っている「出口を探せ」などの部分と呼応しているのではないでしょうか。

同時にほかのメンバーは動かないところが面白いです。主人公はるんちゃんのようでいて、実はほかのメンバーであり、そして見ている私たちなのではないでしょうか。るんちゃんは先導者であり、人々を解放する存在で、真の主人公ではないのだと思います。曲は「過去と未来繋ぐ今をどう生きるか?」でアウトロがなく終わりますが、この歌詞とMVの最後のシーンによって、最後の歌詞が我々への問いかけになっていると思います。

「わたしは新しい道を探すけど、君たちはどうするの?」

最後のるんちゃんのクールで、ハードボイルドな感じのする表情からそんなセリフが聞こえた気がしました。この前向きな芯の強さを感じる部分もるんちゃんのかっこよさの源です。

このMVは櫻坂らしいMVだと感じました。

欅坂っぽさみたいなところばかりに注目していては、大事なところ、表現したいところを見落としてしまうのではないか? という気がします。そもそも欅坂にシンパシーを感じて入ってきているメンバーが多いので、メンバーの魅力を出そうと思えば要所で欅坂っぽさが出るのは必然で、それを意図的に排除する方が不自然です。逆に欅坂っぽさを強引に入れるのもおかしいと思いますが、今回はそういう強引さはあまり感じませんでした。

おわりに

るんちゃんの魅力が良く出たMVだと思いますし、櫻坂らしさもあって、良いMVだな~と思いました。

加藤ヒデジン監督には、これで1st「なぜ恋」・2nd「BAN」・3rd「Dead end」と3作連続でMVの監督をしていただいていますが、加藤監督はメンバー個々を見ながら作品を作ってくれるのでありがたいな~と思います。

演出そのものには好みとかもあるでしょうが、そういうスタンスを取ってくれているところが嬉しいです。

あとは「無言の宇宙」のMVを残すのみ!

楽しみです!


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