改名してから、櫻エイトと3センター制を採用して、乃木坂とは違う選抜制度を模索してきた櫻坂。
私は必ずしも櫻エイト制は悪くないのではないかと書いてきましたが、最近はやっぱり全員選抜がいいなあと思ったりします。
今回はその辺をつらつら。
ファンの分断
私が1番嫌だなあと思うのは、ファンの分断です。
こういう大人数グループはどうしてもポジション争いがあるので、全く無くすのは難しいですが、全員選抜の場合は一応全員出ているので、争いの程度を軽くすることができます。
今のシステムの場合、櫻エイトにいる(いた)メンバーのファンと3列目メンバー(俗に言うBACKS)のファンで分断が生じがちです。
私は箱推しなのもあって、曲に合ったメンバーを選んで欲しい(あるいはパフォーマンスの中心にして欲しい)と思っていますが、メンバー推しの人の場合は、自分の推しがどこにいるのか、いないのかといった点にフォーカスする力がどうしても強くなります。
これはこれで仕方ないですが、Twitterやまとめサイトのコメントなどで、「誰々をセンターにしろ」とか「誰々を選ぶのはおかしい」といったものが流れてくるのは、個人的にとても辛いのです。
特に昨今は「BACKS推し」といった層もいて、分断が進んでいる印象です。
自分の推しが出ていなければ歌番組でも見ないという人たちもいるので、ファン数が乃木坂などに比べれば多くない櫻坂としては数字的にもポジティブな影響を与えていない気がします。
これが全員選抜がやっぱりいいな〜と思う、一番の理由です。
櫻エイトの意義低下
あと、櫻エイトの意義が下がっているように思うのも理由の1つです。
私が櫻エイトを比較的肯定的に語ってきたのは、同一のメンバーが常に前に立っていることによって「櫻坂らしさ」を固定的イメージとして与えると共に、クオリティの水準を一定以上に保つことができること、また「表現力を重視するという絶対的価値観を前提に」一定の競争原理を導入することで、全員の力を引き出すことが出来ると考えていたためです。
しかしながら、今のところ櫻エイトの基準として大きな比重を占めているのは人気や露出度になっているような感じでミーグリの結果が重視され過ぎていると感じます。特にみいちゃん、夏鈴ちゃんを外したのは「表現力重視」という価値観の転換を私に感じさせました。
ところが、流れ弾や美しきNervousでは、櫻エイトから外れたみいちゃん、夏鈴ちゃんがソロ部分を担当しており、櫻エイト格の歌割り、パフォーマンスになっており、あべこべな状態になっています。(実はフォーメーションが違った説もありますが)
あと、3rdのフォーメーションが発表されたときのメンバーに対するコメントが私としては看過できないものが多く、こんなんじゃだめだと思いました。
どうせ全員選抜でも人気メンバーが前にいることが多くなるのですから、だったら全員選抜でも良くね?という感じです。
BACKS LIVEがあったので2ndまでの曲は全員が踊っていますが、それがないと櫻エイトと3列目メンバーの間の温度感にズレが生まれる可能性があることも分かりました。全員が一体感を持ってパフォーマンスすることがこのグループの良さの一つでもあるので、それを阻害する可能性があるなら、やはり全員でパフォーマンスした方がいいんじゃないかという気がします。
競争の低下を指摘する声もありますが、欅坂のときに意識が低下しているようなメンバーはおらず、むしろ常に見られることで向上していたように思うので特に心配いらないかなという気がします。
むしろ、BACKSというラベリングがなされることで、櫻坂ではなく、BACKSとしてという意識が強くなる方が怖いです。BACKS LIVEやBACKS曲のほうが場合によっては目立てるので、今はないですが、この状態が長く続くと力の入れ方が変わってしまわないかという不安があります。これはグループ全体の力の低下をもたらしかねません。また、頑張っても櫻エイトや表題チームに入れない時期が続くとモチベーションが下がる可能性もあります。
3センター制の意義の変化
1stのときはMV曲をすべてテレビの音楽番組で披露し、表題、カップリングの区別をできるだけ付けないような意図が見えました。実際には表題が一番披露されていましたが、それでもトリプルA面のようなものを目指すという方向性がありました。(CDTVではなぜ恋、バズリズムではBuddiesを披露)
しかし、2ndでは通常の音楽番組ではすべてBANの披露になり、カップリングと表題には歴然とした差をつけるものに変わりました。これは3rdでも同様です。(SONGS OF TOKYOはアーティスト特化型の番組で結構特殊です)
こうなってくると、3センター制の意義が当初とは変わって、センター分散程度の意味しか無くなっているような感じです。
3センター制自体は続けるべきだと考えますが、櫻エイトシステムと結びつける必然性は低下しており、全員選抜でも特に問題ないだろうと思います。
人数の問題
全員選抜最大の障壁は人数ですが、現在25人であかねんとぺーちゃんが卒業してしまうので、今後は23人になります。
今も全員選抜の日向坂は22人なのでほぼ同じです。
人数的には全員選抜でも特に問題ない水準です。
また、櫻坂の曲は気迫が必要な曲が多いですが、気迫を出すという意味では全員選抜のほうが伝わりやすいとも思います。
全員選抜にするとグループ人数を増やしづらいという問題もありますが、これは日向坂にも潜在的に存在している問題ですし、人数を安易に増やさないことでグループとしての見せ方を安定して進化させ続けることができるというメリットもあるので、そんなに悪いことではないと思ったりします。欅坂も1期生だけで長くやることでスタイルを確立したので、2期生がそれを進化させるというかたちをとれています。
全員が似合う
まあでも、何よりもやっぱりこのグループは全員でパフォーマンスをやるのが似合うと思います。
誰かがいないとかはシンプルに悲しいし、嫌です。
乃木坂式の選抜-アンダーよりは好ましい仕組みだと思いますが、それでもやっぱり全員選抜のメリットを上回っていない気がします。
1年やってみて、見てみて、やっぱり全員選抜がいいなと感じたのが正直なところです。
ユニット曲も解禁され、「全員で1枚のシングルを」という1st発売時のコンセプトも事実上終了しており、本格的に2年目の活動が今後始まるわけなので、もし何か変えるなら4thはタイミング的にもいいんじゃないかと思うので、「戻したらどうですか?」と言っておきます(笑)
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