欅坂としてのラスト楽曲群である「コンセントレーション」ですが、欅坂の曲では多くない「失恋ソング」になっています。
一口に失恋ソングといっても色々あるわけですが、「コンセントレーション」では主人公が何かをやらかしてフラれるというお話になっています。
明確なことは書いていないのですが、主人公はいったい何をやらかしたのでしょうか?
※当記事の引用はすべて「コンセントレーション」(欅坂46・作詞 秋元康)から行っています。(※印は引用箇所)
一発アウトではなさそう
歌詞を見ていると、一発アウトでフラれたわけではなさそうです。
「ほったらかしたままで勝手に生きてきた罰なのか」(※)
「心の糸が緩むみたいに二人に距離ができた」(※)
「君ならばいつだって許してくれると思ってた」(※)
このあたりの歌詞から推測するに、それなりの期間の付き合いがあり、徐々に距離ができたという感じが読み取れます。
また、「甘えていただけなんだ」(※)ともあるので、主人公は相手に負荷をかけるようなことを「まあ大丈夫っしょ」とたかをくくって続けていたこともうかがえます。
いったい何をしていたのか……。
羽根を伸ばしたんだ
歌詞が示しているヒントとしては、
「寂しさに気が付かなくて」(※)
「いるはずだった僕がいなくて君を不安にさせた」(※)
この2つぐらいでしょうか。
要するに、
相手が会ってほしいときに、羽根を伸ばしちゃっていなかった(会えなかった)
ということでしょうか。
「会いたいんだけど」と言われても友達との飲み会を優先してしまったり……とか?
明確なことがあったわけじゃない?
もう少し深読みすると、英語部分が面白いです。
一番初めの英語は「今すぐ理由を教えてよ」ですし、途中にも「なんで目をそらしたの?」とあります。
ここを読む限り、相手は怒っているという感じがあまりしません。
むしろ避けている感じです。
理由も明確に主人公に告げていないようです。
ここから、何か明確なことがあったわけではなく、「冷めてしまった」という感じなのではないか?という気がします。
「理由を教えない」のではなく、「何となくなので明確な理由がない」のではないでしょうか。
だから、「どうしたらいいか教えてよ」と主人公に言われても、「そういう問題じゃないんだよなあ」という感じになってしまっている可能性が考えられます。
リアルな恋愛の終わりを描いているのかも
私の解釈は、
「主人公は相手が『束縛されたくないんだよね』と言っているので束縛しない代わりに、自分も遊んでても大丈夫と思い、相手の思いを汲む努力をしていなかった。それが積み重なり、相手が冷めてしまって別れ話に。主人公は何か明快な原因があると思って「どうして?」と聞くも、答えてもらえない。なぜなら積み重ねが理由で明快な出来事があったわけじゃないから。この時点で主人公は変わらず相手のことが理解できていないんだけどね」
というものです。
浮気とかの問題で別れることもあるとは思いますが、現実には案外こういう「価値観のすれ違い」での別れのほうが多い気がします。
そういう意味で、「コンセントレーション」はリアリティのある失恋ソングなのではないでしょうか?
もっとも、これは欅坂9thの選抜に選ばれなかったメンバーにつくった曲なので、そこにかぶらせる意図もあると思います。そういう視点で見ると、また違った解釈でも楽しめますね。
楽曲の解釈は楽しいので、みなさんもぜひ(笑)
Twitterもやっているので、ぜひフォローしてください!